恋愛小説「赤と黒」

古典の恋愛小説

数ある小説の中でも、特に恋愛小説が大好きという方も多いでしょう。 特に女性は恋愛小説にはまっている人も多いのではないでしょうか? では、通常の小説と恋愛小説は、どのような違いがあるのでしょうか? ここでは、恋愛小説についてお話します。

恋愛小説とは、文字通り、男性と女性の恋愛を題材とした小説のことです。 愛だの恋だの、そういったことを描いた小説です。 また、これは男女間だけではなく、同性の間での恋愛を描いた作品も恋愛小説と呼びます。 恋愛小説は、もちろん、ハッピーエンドだけではなく、ラストは悲しい終わりになることもあります。

昔の恋愛小説と言えば、スタンダール著の「赤と黒」がありましたよね。 また、エミリー・ブロンテ著の「嵐が丘」など有名ですよね。 他にも、ジェーン・オースティン著の「高慢と偏見」、シャーロット・ブロンテ著の「ジェイン・エア」がありました。

また、あの有名なゲーテも「若きウェルテルの悩み」と言う恋愛小説を書いています。 そして、私が高校生のころ、夏休みの読書感想文を書くために読んだ本が、ツルゲーネフ著の「初恋」です。

これらは古典文学と呼ばれるものですから、高校生の私が初恋を読むことは、ちょっと難しかったかもしれません。 大人になってから読み返してみるのも良いでしょうね。 恋愛小説と言っても古典になると、ちょっととっつきにくいかもしれませんね。 本を読んで、その恋愛にドキドキするよりも、古典的な言葉の美しさや、表現力に魅力を感じるでしょう。

ロマンス小説と恋愛小説

一般に恋愛物と言われる小説を「ロマンス小説」と呼びますよね。 また、それらは「恋愛小説」と呼ばれる場合もあります。

私達は特に気にせず、これらの小説のことを「恋愛小説」と呼んだり、時には「ロマンス小説」と呼んだりしますよね。 では、これらの呼び名の違いはどういった定義によるものなのでしょうか? まず、ロマンス小説とは、一般に若い人たちの恋愛体験を描いた小説のことを、そう呼ぶようです。 言ってみれば、ありふれた恋愛、何処にでもありそうな恋愛、恋愛にまつわる事件を題材とした小説です。 また、ロマンス小説は純愛をテーマとしたラブストーリーであったり、空想的なラブストーリーであったりします。 ですから、これらの愛の結末もありがちなものです。

例えば、旅行先で偶然に出会った異性と恋に落ちるストーリーや、身分の違う男女が恋に落ちる、俗に「シンデレラストーリー」と呼ばれるものなどがそうです。 また、ロマンス小説と言えば「ハーレクイン」ですが、これは女性たちの心を捉えたようですね。

このように、ロマンス小説に出てくることが多い、避暑地でのひと夏の恋など、「ありがち」と言われてしまうことから、ロマンス小説は恋愛小説よりも低俗であり、安っぽいと言うイメージがあります。 もちろん、ロマンス小説の中にも、素晴らしい作品があることは否定出来ません。 いくら、安っぽいと言われても、読む人の心を捉えることが出来るのなら、それで良いのではないでしょうか。

恋愛小説「赤と黒」その1

みなさんは恋愛小説を読んだことがありますか? ほとんどの方は一冊や二冊は、恋愛小説を読んだ経験があるのではないかと思います。 読書があまり好きではない私でさえ、何冊か読んでいますからね。 まあ、一言に恋愛小説と言っても、最近はさらにミステリーが加わったりすることもあり、恋愛ミステリーなどと呼ばれる場合もあります。

恋愛小説は大昔から存在し、古典のおける恋愛小説で有名な作品もいくつかあります スタンダールの作品である「赤と黒」と言う作品、みなさんも名前だけは聞いたことがあるでしょう。 内容は知らないけれど、どこかで聞いたことがある、そんな方も多いでしょうね。

昭和のポップスには、「赤と黒」のような恋がしたい・・・そんな歌詞もあったような気がします。 このように恋愛小説の定番と言えば、昔から「赤と黒」だったのです。 日本語訳の本としては上下巻で新潮文庫から発行されています。 では、この「赤と黒」と言う作品はどんな内容だったのでしょうか? ここで簡単にご紹介しましょう。

この作品の主人公は材木屋の息子であるジュリアン・ソレルと言う青年です。 彼は、偉大なるナポレオンを敬愛していました。 身分が材木屋でありながら、ナポレオンを敬愛することでわかるように、彼は野心家だったのです。

もちろん、材木屋よりも軍人として成功したいと思っていました。 ですが、当時は王政復古政治の中、その思いは叶わなかったのです。 彼は次に、当時、はぶりがよかった聖職者を目指していました。

恋愛小説「赤と黒」その2

古典の恋愛小説である、「赤と黒」のストーリーについてお話している続きです。

軍人を諦め聖職者を目指すジュリアン。 彼が聖職者を目指した理由は、聖職者が高収入であり贅沢な暮らしをしていたからです。 それに憧れてのことですので、特に神様に仕えたいからと言う気持ちからではありませんでした。 言ってみれば「よこしま」な気持ちですよね。

さて、ジュリアンは町長の家で家庭教師として働くことになりました。 彼の頭の良さを買ってくれた町長、レナールの家に通いました。 そして、その家の奥さんと恋に落ちます。 こうした、出来事、「ある家に通うようになり、そこの奥さんと恋に落ちる」と言う話は、恋愛小説には良くあることですよね。

激しく愛し合う2人、この不倫は続きます。 ですが、自分の奥さんが他の男性と恋に落ちたことを、夫であるレナールが気づかないわけありません。 「なんとなくおかしい!」と、夫がジュリアンを疑うようになりました。 こうなると、「この不倫がバレては大変なことになる!」そう思った、レナール夫人はある行動に出ます。 彼の身を案じて、聖職者として神学校に送り込みました。 こうして、レナール家からジュリアンを引き離すことで、彼を守ったのです。 言ってみれば、婦人の優しさですよね。 愛しているのだから、離れたくないでしょう。 ですが、そこを彼の身を第一に考えて、神学校へ送ったのですからね。 その後、レナール婦人は不倫の懺悔をし、反省の日々を送っていました。

恋愛小説「赤と黒」その3

有名な恋愛小説である、「赤と黒」のお話を続けます。 その学校でもジュリアンは頭脳を発揮し、校長であったピラール神父にその才能を買ってもらえます。 その結果、大貴族であるラ・モル侯爵の秘書にジュリアンが推薦されたのです。 これはジュリアンにとって大きなチャンスになりました。

ですが、その家では、侯爵の令嬢であるマチルドにジュリアンは見下されます。 ジュリアンはマチルドのそうした扱いに対して、当然、怒りました。 ですが、なんとかして彼女を征服したいと思い始めたのです。 「自分を見下した女をものにしてやる!」、このことに心を燃やしていたのです。

また、マチルドのほうも、そんなジュリアンに惹かれていました。 なぜなら、マチルドの周りにいる貴族連中と、ジュリアンは全く違っていたからです。 マチルドにとって、ジュリアンは激しい情熱を持っていることなど、他の人にないものを持っている青年であり、また彼の才能も認めていました。

ジュリアンとマチルド、お互いに気持ちがあれば、自然と恋に落ちますよね。 まあ、こうして身分の違う2人が恋に落ちることは、恋愛小説に欠かせないエッセンスだと思います。

やがてマチルダは彼の子供を生み、侯爵も仕方なく2人を結婚させました。 でもそこは身分の違いが問題になりますから、ジュリアンを某貴族の一族と言うことにして、陸軍騎兵中尉にしました。 ジュリアンとしては、これは出世ですよね。 昔、軍人として出世することを夢見ていたくらいですから、彼にとって大きな喜びとなったでしょう。 ですが、この恋愛小説は身分の違いを乗り越え、結婚したと言うハッピーエンドにはなりません。

恋愛小説「赤と黒」その4

古い恋愛小説である「赤と黒」のストーリーについて話しています。

主人公、ジュリアンはマチルドと結婚することで、出世します。 ついに軍人になれ、ジュリアンにとってこの結婚は幸せなことばかりでした。

ですが、侯爵がレナ―ル家に身元を照会するよう連絡を送ると、レナール婦人からジュリアンに関しての手紙が届きました。 その内容は、「ジュリアンが出世のために女性を踏み台にしている」と言った内容だったそうです。 この手紙のせいでジュリアンの人生は一転してしまうのでした。

侯爵はその手紙を読んで、当然ながら激怒しました。 大事な娘をそんな男にやれるかと、マチルドとの結婚を解消させました。

結婚を解消させられ、出世の道も閉ざされたこと、その原因がレナール婦人の手紙のせいだと知ったジュリアンは、怒って彼女を殺そうとします。 射殺しようとしましたが、レナール夫人は運良く、命を取り留めます。 ですが、殺人未遂を侵したジュリアンは逮捕されてしまいました。

そんなジュリアンの命を救うため、マチルドは奔走しますが、それも無駄に終わりました。 こんなことになったのに、マチルドはジュリアンを愛していたのですね。 一方、ジュリアンの方は、レナール婦人の本当の気持ちを知ることになります。 彼女が未だにずっとジュリアンを愛していて、あの手紙は彼女の本意ではないことがわかったのです。 彼女の気持ちを知ったジュリアンは、裁判でついに「死刑」が言い渡されても、自らそれを受け入れました。 このように「赤と黒」は、恋愛小説の中でも、悲惨なラストとなる代表的な作品ですね。

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恋愛小説「赤と黒」その5

「赤と黒」は、ジュリアンが死刑になることで、悲劇として終わります。 おわかりのように、野心を持った青年が成功し、堕落する様子が、この恋愛小説には描かれています。

また、これはフランスの七月革命が来る前あたりが、作品の舞台となっていました。 ジュリアンも革命を恐れていますから、時代背景によっても翻弄されてしまった青年でしょうね。

「赤と黒」は、この副題が「1830年代史」となっています。 フランスを当時、支配していた「ブルボン朝復古王政」により、抑圧された世の中であったこと、また、これによって復活した昔ながらの支配階層への、批判を込めた作品だと言われています。

スタンダールがこれを書いていた途中である、1830年に七月革命が起きました。 作者がこの恋愛小説の中で批判していたものは、この時に打破されました。 このように、この恋愛小説の舞台となるのは、王政復古の時代、ジュリアンが憧れていた聖職者や、貴族は腐敗していた時代でもありました。

そして、「赤と黒」は、本当の事件を元にして書かれた恋愛小説と言われています。 また、レナール夫人は作者であるスタンダールの実母が元になっているそうです。

題名である「赤」と「黒」と言う、二色の色ですが、この題名を見ると、どういう意味か疑問に思う人も多いようです。 では、この二色には、どのような由来があるのでしょうか? これは軍人の服の色である、「赤」と、聖職者の服の色である「黒」を表しています。

恋愛小説「赤と黒」その6

そして、赤と黒、これは、カジノなどで見るルーレットの色でもあると言われています。 ジュリアンのギャンブル的な人生を例えていると言うことです。 ですが、肝心の作者自身は題名の由来については、話していないそうですから、どれも読んだ側が勝手に考えた由来なのでしょうね。

この恋愛小説はジュリアンの心理状態が良くわかります。 人々が恋愛小説にはまるのは、きっと自分が実際に体験していないのに、あたかも、その恋を一緒に体験しているような気持ちになるからでしょう。 共感しやすいことが、一番の秘訣なのだと思います。 そうかと言って、ドキドキするような恋愛小説ではないので、どちらか言うと歴史的要素も強いのではないかと思います。

野心をかなえるために、周囲を利用して出世しようとするジュリアン。 彼は冷酷な人かもしれませんが、ひとたび、恋愛のこととなると、レナード婦人を思い、悶え悲しむ様子が伝わってきます。 それは作者の文章力、表現力の賜物ではないでしょうか。 主人公のジュリアンだけでもなく、貴族の令嬢であるマチルドの気持ちさえ、読む人に理解させてしまうほど、素晴らしい表現力です。

愛に生きて、愛に殺される、こうした悲劇の恋愛諸説が「赤と黒」なのではないかと思います。 ちなみに、「赤と黒」は映画にもなりましたし、舞台などでも見られます。 その映画を見ましたが、結構、良かったですよ。 本が苦手な方は映画でも良いでしょう。 フランスの素晴らしい古典文学を是非、お楽しみください。

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